「骨のゆくえ」 蒼風薫


 

わたしのさみしい骨のゆくえは

乾いた風吹く荒涼とした地

どの生き物にすら踏みつけられることもなく

ただひたすらに転がってるだけ

あしたなら抱えきれないほどあって

きのうのひとっつも無い寂寞

さみしいと

さみしいさみしいと呻く

死んでいながら呻く骨なんです

 

わたしのさみしい骨のゆくえを

探しているひとが居るとのニュース

驚いてそして恥ずかしいと思いました

骨ですから

あのワンピースもあの靴ももう

用の無いかなしい骨は

砂漠よりもよほど切ない

意味の無い場所に転がってるだけ

 

それでもほんとに探してくれているならば

ぜひにも会いたいあなたに会いたい

どちらに眼をか、っと見開いていれば

すれ違いが起きないかしら

と心配で心配で

夜すら眠れない骨となり

月と出会いました

居たんですねとわたしが言うと

はい、居ましたと月が応える

なぜですかとわたしが不思議がると

月はいよいよ白く輝くのでした


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